本日夕方から、同僚のO先生の『末梢静脈挿入式中心静脈カテーテル法』(PICC::
Peripherally Inserted Central Catheter)手技を見学しました。
O先生は私より一回り以上若い先生で、大変優秀、温厚な方です。
新しい環境に不慣れな私と他の先生達との間に入り、日頃お世話になっております。
色々とストレスの多い役回りながら、調整役O先生のお蔭で1年間仕事をして来れました。
O先生と二人で、老人施設の嘱託医もしております。お互いのコミュニケーションが
上手く取れ、治療方針という点からもバランスがとれていると感じております。
その施設入所中の90代女性が食事が摂れなくなってしまい、入院しました。
一般の点滴により、徐々に病状が改善してきましたが、食事摂取には至りません。
点滴のルートも確保困難となり、そこでPICC!!!となった訳です。
O先生にとっても、先日1度試みたようでしたが、無念の結果。
本日は2度目の試みです。
16時、午後の外来担当でしたが、「ベッドサイドで手伝える事は?」
というよりむしろ邪魔にならない様、不潔にしない様に固唾を飲んで見守りました。
本日は、カテーテル(管)を提供する会社の担当者もベッドサイドで
アドバイスを送るという念の入れようでしたが、幾つかの器具の不足が伴い、
右・左の上腕尺側皮静脈、上腕皮静脈と約1時間程試みましたが、
またしても無念。中心静脈までの挿入は出来ませんでした。
が、点滴ルートのみ確保はしました。高カロリー輸液は出来ずとも
十分意味のある処置と言えます。
今迄行っていた、鎖骨下、鼡径静脈穿刺とは異なり、勝手が違います。
心カテを専門にしている先生方からすると、「何言ってる???」
といった程度の話でしょうが、そこは専門によるところが大きいでしょう。
既に御存知と思いますが、私は料理も致します(キクイモ料理は勿論ですが、)
やはり、下ごしらえ・下準備、段取りが大切です。
留学中も実験の際に、全ての器材を揃えてから取り掛かったのを今でも
憶えております。
そういった意味では、今回の手技を身に付けるには、実践含めもう少々
時間を必要としそうですね。
しかし、こういった処置を身に付ける事により、施設入所の高齢者で
食事摂取困難な方や点滴が入り難い等の問題解消にもなりますし
施設の職員にとっても、管理しやすいメリットがあります。
是非、十分な鍛錬を経て、実践的に活用出来る様にしたいものです。
見ているだけで疲れてしまった事をやや残念に感じつつ、
飽くまでも前向きに!
- 2015/05/18(月) 19:30:24|
- 日々の診療徒然
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