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キクイモ医師のつぶやき

糖尿病臨床医の健康的キクイモ生活情報

看取りの現場で『平穏死』を考える

本日も暑い陽射しでした。

栃木県代表 作新学院がいよいよ甲子園球場に登場!
私の外来患者さんや同僚の家族も応援に甲子園へ出掛けたそうです。

第3試合だから見れないかな~?等と思いながら眠りについた昨夜です
が、朝6時前に電話連絡がありました。

嘱託契約している施設の入所者が亡くなったとの報でした。
90歳の女性Kさん。基礎疾患は糖尿病で、腎臓の合併症がありました。

先月には約2週間入院し、利尿を図る治療を行いましたが、効果無く・・・。
徐々に食事摂取不能となりました。食事摂取出来ないと点滴。
浮腫が出現し、呼吸困難から酸素吸入、徐々に体力は低下していきました。

御本人は口癖の様に「もう十分生きたから!」と仰ってました。
病院での治療はもうやる事は無いとの判断で、施設での看取りに切り替えました。

明日から私はお盆休みで不在となる事を知っていたかのようなお別れでした。

大変な御苦労もあった様子でした。実子は現在も精神薄弱施設入所中。
実の弟さんが入院の際のキーパーソンで、病状経過の説明でお会いしました。

本日、施設に赴いた際には見慣れないお顔の方々が。
再婚の際の相手方の連れ子さんとその夫で、この方々が葬儀を取り仕切るそうです。

私がご挨拶して初めて「あっ、そうですか!?お世話になりました。」
本日施設にも初めて来て「こんなに素晴らしい施設だったんですね!」と話していたそうです。

キクイモについて摂取をお薦めしたいとも考えましたが、御家族様の関係等も考慮し
少々躊躇しておりました。でも、御本人は良く頑張られたと思います。

「お疲れ様でした。」心からご冥福をお祈り申し上げます。

帰り際、同施設の他の入所者について、
「御家族から透析の希望があるので、紹介状を書いて下さいとの事です。」と
看護職員から話がありました。

こちらは68歳男性です。慢性関節リウマチ、プレドニン服用により糖尿病、そして腎不全。
BUN/クレアチニン は80/8 程度です。
先週金曜日に高齢の義姉にご説明しましたが、結論として透析を希望されたそうです。

ご紹介は致しますが、透析導入後の維持透析の必要性について御理解されてない
可能性があります。週1~3回透析通院が必要になるでしょう。その場合、誰が通院の
付添いをするのか?!施設サイドでは難しいかもしれません。御家族で対応は可能か?!

或いは現在の施設で入所の継続が困難になるケースもあると考えられます。
必要ならばやるしかない!という考え方で、その後起こり得る事態を理解しておかないと
「こんな筈じゃ無かった!」と後悔する事もあるかもしれません。

『看取り』についての講演を準備していく中で、
胃瘻や人工呼吸器管理等の医療行為がご本人の意思とは別の所で行われている実態を
改めて感じております。

方法があれば、しなければいけない。しない事は無責任だ!という考え方。
これは本当に本人のケアなのか???
医療サイドや本人ではない家族の思いの押し付けではないか?

本来、本人の為であるべき医療行為が本人の意思や益とかけ離れた考えで
行われている実態があるのではないか?!と感じます。

胃瘻を希望していなかった患者本人・御家族が医師が胃瘻を作らずに
見殺しにする気か!?という医師の言葉により、胃瘻を作り後悔した話等あります。

いつも自問自答しております『誰の為の医療か?』を考えるべきでしょう。

『老衰』は病気では無いと考えます。
しかし、立派な死亡診断名です。
『老衰』であれば、病気をせずに元気で亡くなった話であるのかもしれません。

前の病院で、ある地元で有名なY氏の母上の看取りをした際に、
死亡診断に『老衰』と記したところ、キーパーソンの息子さんから
「母は長患いしてきましたから、『老衰』の診断は大変嬉しく思います。」と
感謝された事があります。

診断をつけること、病気を治す事にばかり気が取られてきた結果、
現代の国家の医療予算の切迫、寝たきり患者数の増加、介護難民といった問題
が生じたのでしょう。

最先端の医療をもってしても『老衰』は解消出来ません!
クレオパトラの時代からアンチエイジング問題はありましたし、
養老乃瀧は居酒屋でしか見た事はありません。

『尊厳死』というより『平穏死』 こういった選択肢もあると確信します。
医療従事者が自然に逆らう事をしてはいけない部分もあるでしょう。



『看取り』を終え、午前の外来診療の為に病院に戻ったところ、
病院入口に蝉の亡骸が1つ。

蝉亡骸

蝉の生命の短さと対比しつつ、私達の人生も、地球誕生の歴史からすると
瞬き程の長さでしかない。という話を思い出しました。


明日からお盆休みを頂戴します。先祖のお墓詣りをしつつ高齢の両親の
様子を見に家族で日光へ出掛けましょう。

  1. 2015/08/12(水) 19:01:01|
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Author:キクイモ医師
栃木県で勤務する内科医です。糖尿病を主とし臨床経験四半世紀を経過しました。
糖尿病の他、生活習慣病の増加、玉石混交のサプリメント市場、現在の医療・介護の問題等日々の出来事から感じた事柄などをつぶやいていきたいと思います。宜しく!

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