だいぶ涼しくなってきました。
昨夜は当直で、夕食にメッセージが添えられてました。
心遣いが嬉しいモノです。

明日は午前日光代診です。明日の晩は父の米寿の祝宴を
予定しております。親族のみ集合し、細やかながら温泉に
つかり祝杯を挙げる事になっております。
8月最後の週末、受験生や社会人の孫達が一堂に会します。
賑やかな宴になるでしょう!
誕生日は11月です。が、お祝い事は何回やっても良いし、
親族皆集合できる機会を作るのはなかなか難しいという事で
夏休み最後の週末となりました。
そんな訳で、私からの誕生祝は後日となりましたが、
家内や孫達からは趣向を凝らしたお祝いがあるようです。
今年で88歳を迎える父。現役の医師として頑張ってきました。
最近は少々物忘れも出て来まして、徐々に現場での仕事継続が
困難になってきているとこちらは感じております。
ただ本人は「生涯現役!!」と。引退の文字はありません。
突然取り上げてしまっても、精神衛生上良くない事は解ってます。
少しずつ手伝う時間を増やしていく必要を感じます。
以前、ある人生の先輩から
「子供に事業を譲る際の注意として、リレーのバトンタッチを思い出せ!」
というお話を伺いました。
バトンゾーンという受け渡しの範囲がある。徐々にバトンを渡していく
即ち申し送りを行い、申し送りが終わった以降は、色々感じ、意見があったとしても
決して小言・文句は言わず、例え潰れようが止むを得ないと心得よ。
素晴らしい覚悟だと思い、教訓にすべきと感じております。
現在、『看取り』講演の準備に時間を費やしておりますが、
本日も嘱託施設において、入所者の御家族とお話しました。
入所中の御主人は85歳。認知症があり、介護への抵抗、時に暴力があります。
意思疎通が困難な状況です。在宅の時から奥様に暴力を振るっていたそうです。
大層御苦労された御様子です。(この奥様は元看護師さんです。)
診察にて、かなりの除脈。ホルタ―心電図(24時間心電図)検査を行ったところ
心拍数は平均42/分(最高72最低35)と
洞機能不全症候群が疑われます。
ペースメーカーの適応について、昨日循環器専門医に相談しましたが、
想像通り、「高齢、認知症、暴力的・抵抗による安静保持困難」などの理由より
難しいと判断されました。
本日、奥様と娘さんにそのお話をしました。
奥様は以前の職業柄、病気の事について理解可能ですが、
「一般的な話とは違い、身内の事となると・・・。」
よく解ります!
かつて、私の祖父が心筋梗塞で生死の境を彷徨った際、父が
「日頃診察している患者さんの心電図であれば、心筋梗塞間違い無し!
だが、自分の父親となると・・・。」と話していた事を思い出します。
(もう40年以上前の話です。)
第三者は覚悟を決めなさい!と言えても、なかなか受容できません。
これが人情というものでしょうね。
その奥様と娘さんには「現在、失神等の症状は無いし、本日も大変お元気なので
現状で経過を観察しましょう!但し、突然死もある事だけは御承知おき下さい」
と御説明しました。
「その時の状態により対応しましょう!」ともお話しましたが、奥様の目には涙が
輝いておりました。とても辛い話し合いだったと思います。
自分の父親も高齢です。現在も現役で診療の場に居続ける事が奇跡で
感謝すべき事だと感じております。
かつては大学病院で、『鬼軍曹』と呼ばれ、又子供の頃怖くて仕方がなかった
あの面影は無く、私の著書、執筆記事を見てニコニコ、患者さんの状態報告にも
穏やかにアドバイスをくれる、私の子供達の良き御爺ちゃん。
小さくなった背中を見て、少々悲しく感じることさえある昨今です。
何時までも元気でいて欲しいと願います。

そんな父のお祝いです。賑やかに宴を盛り上げましょう!
- 2015/08/28(金) 19:54:46|
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