二酸化塩素を利用した携帯型の空間除菌剤、首から下げて使用する空間除菌剤について、消費者庁は販売業者に対し
「身に着けるだけでウイルス除去」は「裏付けとなる根拠がない」として行政指導しました。
一昨日の夜、所属する地域医師会で会合がありました。
いくつかの議事の後、【新型コロナ対策】について話し合いがありました。
話し合いといっても、県内10か所にPCR検査場を設置するという事で、
上都賀地区(日光市・鹿沼市)でも設置する方針の通達とでも言いましょうか。。。
医師として、地域での役割を果たす、健康に関して貢献するという意識はありますが、
全国、世界中で、最前線で働く呼吸器科のプロフェッショナルの医師が注意しながらも
感染し重篤化、死亡している事実を目の当たりにしていると、一般の方同様に恐怖を感じます。
PCR検査場を設置し、医師が検査を行うのであるのなら、しっかりした防護着等もですが、
情報収集、情報共有、知識武装も不可欠と考えます。
医師会会合に出席した医師の中でも、唾液からの検体採取による抗原検査は安全だから、
防護着は1回ずつ替える必要は無いといった的外れな話をする医療者さえおります。
誰かが情報網から外れ、遅れ、手抜き、慢心・油断でたちまち医療崩壊となります。
今回の会合で参加した医師達の発言が少なかったのは(私も含め)沈黙は金といった感覚があったのかもしれません。
抗原検査の陽性率や誤差、抗体検査でさえ精度100%はあり得ないし、時間的なズレも生じます。
(今検査して、現在の感染が分かる話ではなく、1か月前の感染を確認する必要は?)
罹患してない事の確認をしても、改めて再検査する必要を感じたり、感染してない事で逆に不安を煽る形になります。
又、マドンナの様に、抗体陽性だからとパーティーを開催する等は論外でしょう。
本当に再感染しないという話でも無さそうです。連日報道されている様な得体の知れない新型ウィルスなのです。
そんな状況下でも、「自分は大丈夫!」「他人には迷惑かけずに死んでも良い」等と油断しているとしか思えない発言や
県境を越えていまだにパチンコに興じるといった愚行を見ると非常に心配になります。
人に迷惑掛けない!といっても、道端や自宅などで倒れ、死んでいたら、病院へ救急搬送されたり警察が検視に入ります。
(私は警察医として検案業務にも携わっております。そういえば最近検案事例がありません。幸いです。)
その結果、第三者、不特定多数に感染を広げるいわばクラスター発生をさせる事は迷惑でしかないと考えます。
緊急事態宣言が解除される方向で、自粛のストレスから解放され、県をまたいでの移動、ビジネス渡航も可能となる現在、
本当にこれで良いのでしょうか?WHOはヨーロッパでの自粛解除について秋には第2波を予測しております。
日本では、GW明けから緊張感が緩み、今月末から来月上旬が心配です。
厚生労働大臣よりも経済再生担当大臣の方が目立つ様な昨今、より一層不安が掻き立てられます。
昨日、受診された患者さんはクリーニング屋さんですが、接客業であり、利用されるお客様の衣類を預かる
長年の仕事にさえ毎日不安を抱いているそうです。マスクを着用せずに店舗に入ってきたり、
「この地域ではコロナ感染は出てないから大丈夫!」といった言葉に緊張感が欠如していると大変心配してました。
ビニールカーテンなどの仕切りを付けて接客する、金銭の受渡しは2種類のトレイを利用し、受け取った
お金はすぐに除菌、お釣りを渡すトレイと分ける、お店の入り口に張り紙で≪新型コロナ感染対策徹底中≫を知らせ、
当局の指導によりご迷惑をお掛けします等の理解を呼び掛けるようにする。といった提案をしました。
神経質になり過ぎた対応でも理解は得られるかと思います。
先日、当ブログでも紹介しました次亜塩素酸水生成器ですが、作ってみるとPHがアルカリ性。色々調べてみたところ、
作っていたのは次亜塩素酸水でなく、人体に有害となる次亜塩素酸ナトリウムである事が判明しました。
それなら、キッチンハイター等の塩素系漂白剤等を希釈して使用するのと変わりありません。
これ迄次亜塩素酸水が作れるなら1万2千円は安い!と感じておりましたが、高い買い物です。
医療機器取扱いの問屋が、販売に来た物についての分析結果を問い合わせたところ、第三者機関での分析結果は
無い様子で、何よりも営業マンから受けた説明内容そのものが間違いであることに気づきました。
説明によると、噴霧器の中の次亜塩素酸水と噴霧口、手に吹き掛けた際の手のひらの臭い、塩素臭が徐々に強くなるとの事。
これは、菌がいる事に反応して塩素臭が強くなるといった話でした。が、実際には次亜塩素酸ナトリウムと汗のアンモニアが
反応してできるクロラミンの臭いの様です。実際の次亜塩素酸水であれば、液体そのものが刺激臭であり、手に付けると水に戻り、無臭の筈です。
次亜塩素酸水を販売しているという事でも疑わしい代物がかなり出回っているという話です。
何れにせよ、コロナ感染緊急事態にまがい物が出回るといった火事場泥棒的な商売だった(騙された?)印象です。
(火事場泥棒という言葉は最近【検事長定年延長】の件で良く耳にしますが・・・)
販売開始直後に、ドラッグストアの薬剤師が説明する、首から下げる空間除菌商品には騙される事は無かった私ですが、
今回は低濃度を噴霧するたびに頭痛を感じておりました。クリニックで健康被害を出さなかったがせめてもの救いです。
最近、栃木県内でも医療機関やスーパーでコロナ感染疑い発生と聞いてます。関東地方で少ない状態が続いてましたが
いつクラスター発生してもおかしくないと思います。他県ナンバーの車両がパチンコ屋やスーパーのの駐車場に目立っていた
時期もありました。個人個人が引き続き緊張感を持って対応しないとこのウィルスは人類が滅ぼす危険性もあると思います。
- 2020/05/16(土) 07:07:54|
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