fc2ブログ

キクイモ医師のつぶやき

糖尿病臨床医の健康的キクイモ生活情報

人生の終焉について考える

本日午前は外来でした。
糖尿病で一所懸命に『キクイモ』を摂取している方々も来院されました。

農産物直売所でも徐々に見掛けなくなったそうですが、場所によっては未だキクイモは販売されているそうです。
ただ、間もなく終了間近の様子で、心配されている方もおりました。


何人かの方が、お茶やサプリメントを探されておられたので、宇都宮のある薬局さんをご紹介しました。
こちらは私も飲んでいるキクイモ茶を取り扱っておられます。
宇都宮アトム薬局


さて、本日の外来に見えた方で、高血圧、高脂血症で服薬治療中の70代女性がおられます。

元々、栃木県北部在住の方でしたが、約4、5年程前に私の外来に初診されました。
初診時の血圧が190/110mmHgと高く、13年前から高血圧で近くのお医者さんで
治療中だったそうです。

が、訳あって治療が中断。という話でした。
このままでは、高血圧性脳出血等の病気で、良くて寝たきり状態ですから、
治療を継続するようにお話し、投薬治療開始してからお付き合いが始まりました。

前のかかりつけ医からの診療情報・紹介状も無く、
インフルエンザ予防接種の際には、以前の住所で問診票を記載されていたりと、
事情がある事はすぐに解りました。

血圧も落ち着き、病院外来受診も慣れてきたある日、彼女が精神的に落ち着かない
という話だったので、詳細なお話を伺いました。

すると、ご主人が亡くなってから、息子がアルコール中毒で、家庭内暴力を振るい
命からがら娘の住む宇都宮に身を寄せたとの話でした。
時に息子が娘に母親の居場所を問い合わせたりするが、身を隠している状態だそうです。

警察にも相談したり、アルコールにより暴れた息子は実際に警察に保護等、御厄介に
なったりしていたそうです。

宇都宮市内のメンタルクリニックにも受診され、投薬を受けておりました。
私も限られた時間ではありましたが、お話を伺う様心掛けておりました。
警察は刑事事件にならないと動いてもらえないから等お孫さんの運動会を見に行く際も、
気を付けて!睡眠剤についてもアドバイスし、工夫したり。


そして、本日再診日。
開口一番「2月23日に息子が亡くなりました。」とのお話。
私より年下、51歳だったそうです。

大変残念なお話である一方、ホット胸を撫で下ろすという気持ちもあったようです。
複雑な心境で、掛ける言葉がありませんでした。
母親として、大変なショックもあったと思います。が・・・。
生命を脅かされる程の暴力から逃れて、故郷を捨てて来た事を考えると、お疲れ様が適当でしょうか?


仲間からの連絡が取れないという事で、家へ入ったところ、亡くなっていたそうです。
お酒と薬を飲み、自身が酔っぱらった時に割ったガラスからの寒風に曝されて死んでいたところを
発見されたという話でした。

苦しみ、痛みが無かったのは不幸中の幸いかも。ただ、若過ぎる。
「好きなようにして死んでいったのだから。」という母親の声は寂しいとも感じます。

身を寄せていたアパートを引き払い、今月にも地元へ戻るそうです。
現在の心配は、事情があるにせよ、7年以上離れていた田舎のコミュニティにすんなりと
戻れるか?を心配しておりました。


次回の最終受診日迄に、紹介状を作成する約束をしながら、

「振り返る事より、前向きにこれからを考えましょう。」とご提案しました。
「時にチラッと振り返る事があったとしても、思いだし・引きずる事で自暴自棄になるような事では
精神的に参ってしまうでしょうから。お孫さん、娘さん等次世代の将来の為に何が必要で、何が出来るか!?」
「ご自身の趣味や楽しい事を周囲の人達と共有する」といった考えが必要かと思います。


以前、ある方に頂戴した言葉に

『真っ白な雪が校庭一面に降り積もった学校で、担任の先生が生徒達に校庭の反対側を指さし
「向こうのポール迄真っ直ぐ歩いていきなさい!」と言いました。生徒達は皆足元を取られながら
ジグザグを描くような足跡が残りましたが、一人の生徒だけ真っ直ぐに歩けたそうです。先生は
「どうやって真っ直ぐ歩けたのか?」尋ねました。


すると「あのポールを見て歩いただけ。」』


人生の目標を見据えて、真っ直ぐに歩きたいものです。
自分の人生の終わりの時に、まさに棺桶の蓋が閉まる瞬間、「良い人生だった。目標に向かい力を尽くした」
と思いたいと何時も考えております。

日頃、医師として、人生の幕引きのお手伝いをしておりますと、人生の数だけ亡くなり方も様々と感じます。
この一瞬一瞬、その時に近づいているのは間違いありません。毎日悔いを残さず精一杯生きたいものです。



ランチ花



  1. 2014/03/04(火) 16:23:38|
  2. 日々の診療徒然
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<観光客も知らない日光 | ホーム | 花粉症とキクイモ>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://drkikuimo.com/tb.php/78-bac8e870
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

キクイモ医師

Author:キクイモ医師
栃木県で勤務する内科医です。糖尿病を主とし臨床経験四半世紀を経過しました。
糖尿病の他、生活習慣病の増加、玉石混交のサプリメント市場、現在の医療・介護の問題等日々の出来事から感じた事柄などをつぶやいていきたいと思います。宜しく!

最新記事

お薦めリンク集

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (5)
キクイモについて (193)
日々の診療徒然 (85)
独り言 (209)
回顧録 (4)

お問合せ

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

リンク

検索フォーム

RSSリンクの表示

最新トラックバック

最新コメント

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

リンク